iZotope『Nectar 3』ボーカル調整に特化したツール。AIによる自動設定も! 使ってみた・使い方レビュー

こんにちは。マサツムです。

今回はボーカル専用調整ツールiZotopeの『Nectar 3の使ってみた感想を、わかりやすく簡潔(かんけつ)にまとめてみました!

Nectar 3 使い方レビュー

『Nectar 3』のまずはひとこと

ボーカル処理を勉強したい人へオススメ!

『Nectar 3』の 特徴

  • ボーカル処理に必要な10種類のエフェクトが一つになったプラグイン
  • ボーカル・アシスタントで、AIによる自動処理で的確な処理をしてくれる。
  • iZotope人気のAI自動処理シリーズ。

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「Nectar 3」を使ってみた感想

今回紹介するのはiZotopeの『Nectar 3という、ボーカルエフェクトが一つになったプラグインです。

ボーカルの処理はものすごく大変で、たくさんのエフェクトを活用しながら処理をしていきますが、処理の仕方にはしっかりとした知識と経験が必要です。
僕は仕事柄、何百曲というボーカル調整をしてきましたが、数を重ねるごとにどんどん調整の意味がわかっていきます。

そして、Nectar 3』には全部ではないですが、必要なエフェクトが揃っています。
これ一つで結構なところまで追い詰めることができます。

もし初心者の方がミックスまでするのなら、このNectar 3は大きくボ−カルミックスレベルアップにつながるので、ものすごい戦力になると思います。
その大きな要因としては、ボーカル・アシスタントという機能で、AI自動処理ができるというところです!

僕も未だにボーカルの前処理は、このNectar 3自動処理を参考にしています。
エフェクト前処理のEQ処理が良いんです!

Nectar 3を使う前は、アナライザーを見ながら耳で聴いてボーカルのいらないところをEQカットするという作業を毎回していました。
しかし、Nectar 3を導入してからは、AIで処理してもらい微調整でEQエフェクト前処理を済ませてしまいます。

Nectar 3には以下のエフェクトが搭載されています。

  • Compressor
  • De-Esser
  • Delay
  • Dimension
  • EQ
  • Gate
  • Harmony
  • Reverb
  • Saturation

プラス「Pitch」ピッチ補正ツールも入っています。

使用しているエフェクトは上に並べられて、「エフェクトの追加」「ON/OFF」「ソロ」「MIX」をここの画面で調整できます。

Nectar 3 使い方レビュー

Compressor

Compressorコンプレッサー

音量を圧縮させるエフェクトです。
音量差をなくすことで粒が揃い、聴きやすい歌になります。

Nectar 3 Compressor 使い方レビュー

目で見ながらリアルタイムでゲインリダクションと「元の音」「補正後の音」が分かるので、とても分かりやすいです。
コンプのタイプも「デジタル」「ヴィンテージ」などから選択ができ、好みのサウンドを選べます。
入力信号も「Peak」(瞬間のピークレベル)「RMS」(平均レベル)を選べます。
コンプは2つまで立ち上げることができます。

De-Esser

De-Esserディエッサー

サ行のような歯擦音を抑えるエフェクトです。
耳につく音を和らげて自然で聴きやすい歌になります。

Nectar 3 De-Esser 使い方レビュー

こちらもアナライザーを確認しながら設定できるので、非常に分かりやすいです。
「Listen」で除去された信号を聴けるのが便利です。

Delay

Delayディレイ

音の反復によって空間を作り、声に立体感を作る頃ができます。
声の厚みにもつながります。

Nectar 3 Delay 使い方レビューディレイも分かりやすく、ボーカルに適した項目がシンプルに用意されて便利です。

Dimension

Dimension(ディメンション)

声の変化に使われることがあるモジュレーション系のエフェクト「コーラス」「フランジャー」「フェイザー」が用意されています。

Nectar 3 Dimension 使い方レビュー

設定によっては、効果音のような面白い効果まで作ることができます。

EQ

EQイコライザー

周波数ごとに調整して、ボーカルの特性をより際立たせることができるエフェクトです。

Nectar 3 EQ 使い方レビュー

操作性も良く、扱いやすいです。
ダイナミクスの設定もできるので、マルチバンドコンプのような使い方もできます。
EQは2つまで立ち上げることができます。

Gate

Gateゲート

ボーカル録音時に入ってしまう小さなノイズをカットできるエフェクトです。
マイク録音するパートはゲートでノイズを抑えていきます。

Nectar 3 Gate 使い方レビュー

「Open」と「Close」を分けて設定ができ、こちらもリアルタイムで分かりやすく調整ができます。

Harmony

Harmonyハーモニー

ボーカルの声のコピーを生成してハーモニーを作るエフェクトです。

Nectar 3 Harmony 使い方レビュー

空間をシミュレーションしながらゲーム感覚で作ることができます。

Reverb

Reverbリバーブ

音に残響音を加えて、声に広がりを作り出すエフェクトです。
楽曲と歌をなじませることができます。

Nectar 3 Harmony 使い方レビュー

ボーカルに最適なプレートリバーブで、伸びのある綺麗な残響音を加えることができます。
リバーブに重要なEQ調整が分かりやすく設定できるのが良いです。

Saturation

Saturationサチュレーション

音にサチュレーションをかけて倍音を加え、声にツヤと存在感を与えることができます。

Nectar 3 Saturation 使い方レビュー

タイプでは「Analog」「Retro」「Tape」「Tube」「Distort」など色々選べて、アナライザの色の変化で把握しやすいところが良いです。

Pitch

Pitch(ピッチ)

音程をオートで合わせてくれるツールも入っています。

Nectar 3 Pitch 使い方レビュー

キーの設定などをして音程の合わせるかかり方と強度を設定できます。

プリセットで使い方を確認

プリセットもかなり用意されていますし、チェックすればどのエフェクトがどのような効果を加えるのかが分かるので、まずはプリセットのチェックをオススメします!

『Nectar 3』の魅力の機能ボーカル・アシスタントの「ASSIST」と「UNMASK」

上記のエフェクトボーカル調整にとても重要なエフェクトばかりですが、良い調整をするのは知識経験が必要です。

そこで「Nectar 3」の最大の魅力である「ボーカル・アシスタント」の「ASSIST」機能を使えば、AI処理により自動で設定してくれます。

UNMASK」機能を使えば、他のトラックとのかぶりを自動で調整してくれます。

使い方は、右上にある「Vocal Assistant」をクリックします。
そこから「ASSIST」と「UNMASK」の選択をします。
一度に両方選択もできます。

Nectar 3 使い方レビュー

ASSIST

「ASSIST」ボーカル調整を自動で調整してくれる機能で、選択するとタイプを選ぶ画面になります。

Nectar 3 使い方レビュー

Vibes」・・・ボーカルの雰囲気を3つのタイプから選択できます。

Intensity」・・・エフェクトを掛ける強度を3段階で選択できます。

仕上がりのタイプを選択したらあとは再生するだけです。
しばらくすると「コンプ」「ディエッサー」「EQ」「リバーブ」をそのボーカルにあった調整をしてくれます。

個人的にはリバーブやコンプは他の好きなものを使っていますが、EQ処理がすごく良い処理をしてくれるので、参考にするかそのまま使用することも多いです。

コンプやディエッサーもちょうど良い設定になってくれます。

調整のわからない人は、最初はこの機能に頼って良いと思います。
作業もとても時短になります!

ダイナミクスEQがたまに変な設定になってしまうので注意が必要です。
最初なんだか不自然な違和感を感じてチェックしてみると、EQのダイナミクスが極端に検知していることに気づいて、そこから注意するようになりました。
うまく調整すると問題なく自然な調整になってくれます。

Unmask

「Unmask」は他のトラックのかぶった周波数を自動調整してくれる機能です。

ギターピアノのような歌とかぶりやすいパートの周波数を削ってくれます。

使い方は、調整したいトラックにiZotopeの「Relay」を挿します。
プラグインのルーティングは最終の位置に設定します。

右上にある「Vocal Assistant」から「UNMASK」の選択をします。
「Relay」を挿したトラックを選択して、再生すれば「Relay」のダイナミクスが調整されます。

Nectar 3 Relay使い方レビュー

「Amount」で強度を調整します。
「Dynamic」をクリックすればダイナミクスの「オン/オフ」も切り替えることができます。

簡易版「Nectar Elements」

簡易版の「Nectar Elements」というソフトがあり、スタンダートのものより安価で購入可能になっています。
しかし、こちら良くフリーソフトになっていたり、何かのプラグインについていることがあるので、持っていない方はそこも狙い目です。

Nectar Elements」は細かく調整できるわけではなく、項目も少ないですが、簡易的に聴きやすくすることができて便利です。

スタンダートNectar 3は別物と思っていただいた方が良いかもしれません。

Nectar Elements 使い方レビュー

ココが好き!

全て分かりやすく調整しやすい!

ボーカルに必要なエフェクトが揃っている!

AI処理が面白い!

気になった点…

ダイナミクスがたまに変な調整になる…。

こんな方にオススメ!

  • ボーカル処理が分からない人
  • ボーカルミックスに時間をかけたくない人
  • AI自動処理が好きな人
  • iZotopeが好きな人
『Nectar 3』の まとめ

まとめとしては

「ボーカル処理を一度にできる時短ツール」

といったところでしょうか?

iZotopeの他のAI自動処理シリーズ「Ozone」「neutron」もとてもよくできていて便利なツールですが、確実に作業が時短になります。
そして『Nectar 3』は、短時間でボーカルをかなりいい状態に持っていけます。

初心者の方には勉強にもなるので持っていて損はないと思います!

今回は、「Nectar 3」を簡潔(かんけつ)に魅力をまとめてみました!

最後まで読んでいただきありがとうございました!!

マサツム

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