DTM音楽用語辞典175「ルーティング」とは?

こんにちは。マサツムです。

楽器や歌の音を作るためにエフェクターがたくさんあります。

それぞれ用途があり、使い方で音作りが変わってきます。
そして、つなぎ方によっても音が変わってしまいます。

今回は、「ルーティング」を、わかりやすく簡潔(かんけつ)に説明しようと思います。

ルーティング」って何?と聞かれた時に、今回の記事を参考にしていただければと思います!

ルーティングとは?

ルーティング(Routing)とは、エフェクタープラグインの配列順番のことをいいます。

順番の違いが大きく音作りに影響します。
エフェクトの特性を理解して配列を考えないと、良い音作りができません。

ルーティングといってもあまりピンとこない人も多いと思いますが、チャンネルストリップ系の機材プラグインには、ルーティングの切り替えスイッチがあるものもあるので、流れによって音がどう変わるのか知っておかないと、うまく音作りができません。

ギターコンパクトエフェクターの接続順、DTMではDAW上でのプラグインを挿す順番で、ルーティングをしっかり把握して音作りをしていきます。

効率の良いエフェクターの順番

エフェクターの順番はどうすれば良いのか、という質問をとても受けます。

セオリールーティングはありますが、必ずそうしなければいけないということではありません。
しかし、よりナチュラルな音作りを目指すならルーティングは守った方が良いです。

一般的に音の作り方を考えていけば、それがエフェクターの順番につながります。
楽器や作りたい音で配列は変わってはきますが、まずは以下の順番を頭に入れておくと良いと思います。

もちろん「歪みだけ」「コンプだけ」「EQだけ」という音作りもしますので、あくまでもたくさんエフェクトを重ねた時の場合の参考にしてください。

エフェクターの順番

① 周波数の調整をする(EQ or フィルター系)

まずはEQまたはフィルターを使ってローカットや耳につくいらないところ、渋滞するところなどを処理します。
ここはやりすぎると良い成分が無くなってしまうので注意です。

② 音圧を安定させる(ダイナミクス系)

コンプやリミッターなど、大きい音を圧縮して、全体の音の粒を揃える調整をします。
曲に入る楽器の数やジャンルなどで調整は変わってきますが、ここもやりすぎは注意です。

③ 音にキャラクターを加える(歪み系)

ギターでは歪ませたい場合「オーバードライブ」「ディストーション」「ファズ」など、音がある程度整ったところでキャラクターを加えていきます。
サチュレーターで音に倍音を加えてリッチにするのも、音を整えた後の方が扱いやすいと思います。

④ 音に変化を加える(モジュレーション系)

コーラス」「フランジャー」「フェイザー」「トレモロ」のような特殊な方法で音を作るものは後の方に入れていきます。

⑤ 広がり、伸びを加える(空間系)

最後に「ディレイ」「リバーブ」で音の広がりや厚みを加えていきます。
特別な効果を狙わない限り、空間系のエフェクターの後に、音を変化させるのもは挿しません。
空間系の中でもいろんなタイプのディレイ・リバーブを使う場合も、配列で大きく効果が変わってくるのでしっかり考えて配列します。

さらに効果的に使うための微調整

EQコンプ、どっちを先につなげば良いかという疑問を持つ人が多いです。
ひとつずつしかない場合は、音作りの方向性でどちらが良いとは言い切れません。
EQが複数ある場合は最初の処理と最後の微調整のような使い方で重ねがけもします。
コンプも重ねがけで良い効果を分散するという使い方もします。

重ねがけはしすぎると、音が劣化してしまうという理由でしない人も多いですが、僕はよく重ねてしまいます。

周波数調整でディエッサーも良く使いますが、コンプのかかり具合の関係でコンプの前にかけたり、最終の調整で空間系の前に入れたりします。

ディレイ」「リバーブ」のエフェクト内で周波数の調整がうまくいかなかったら、空間系の後もEQフィルターをかけます。

ややこしくいろいろ書いてしまいましたが、エフェクターそれぞれの特徴を分かっていると、自然とルーティングが見えてきます。

チャンネルストリップ系のルーティング

チャンネルストリップエフェクトには、よくルーティングの切り替えスイッチが付いています。

大御所のSolid State Logic社4000 Seriesアナログ・ミキシング・コンソールにも、ルーティング切り替えスイッチが付いていますが、ルーティングをしっかり理解していないと、この手のプラグインは調整がむずしいと思います。
他にもアビーロードスタジオに常設されている『EMI TG12345』など、たくさんのチャンネルストリップコンソールプラグインにはルーティング切り替えスイッチが付いています。

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ルーティングのまとめ

エフェクターのつなぐ順番は最初は良くわからないかもしれませんが、経験の積み重ねで音作りが見えてくると、重要性が分かってくると思います。

ひとつひとつの音作りの丁寧さでミックスの時に差が出ます。
この辺りもエフェクトの特性を理解してルーティングをしっかり把握することが大切です。

エフェクトのかけ方は、人それぞれやり方がたくさんあると思いますが、少しでも参考になればと思います。

今回は「ルーティング」をわかりやすく簡潔(かんけつ)にまとめてみました!

最後まで読んでいただきありがとうございました!!

マサツム