DTM音楽用語辞典095「フィルター」とは?

こんにちは。マサツムです。

DTMをやっているとフィルターという言葉がよく出てきます。

主に音作りに関することで、雰囲気は分かっている人はたくさんいると思いますが、いろんなフィルターを知って理解して使えるようになるとDTMでかなり役に立ちます。

今回は「フィルター」を分かりやすく簡潔(かんけつ)に説明しようと思います。

フィルター」って何をするの?と聞かれた時に、今回の記事を参考にしていただければと思います!

フィルターとは?

フィルター(Filter)とは、設定した周波数帯域だけを通すエフェクターのことをいいます。

フィルターといえば一般的にろ過するフィルターを思い浮かべると思いますが、ろ過するというイメージで考えると意味は同じです。

EQでの処理をする人が多いですが、専用のプラグインもあります。
フィルターの種類はたくさんありますが、それぞれ役割にあったフィルターのかけ方をします。

ミックス時にはひとつひとつの各楽器フィルターをかけて、全体のミックスバランスよくさせるとても大事な作業です。

DTMでは他にも「リフレクションフィルター」や「ポップフィルター」など、遮音する用途の機材に「フィルター」という名前がつきます。

フィルターの種類

フィルターには種類がたくさんあり、それぞれ名前が付いています。
この名前と役割は、プラグインパラメーターにあるフィルターを、どう扱えば良いかが把握できるので、覚えておくことをオススメします。
それぞれの役割は以下になります。

LPF(ローパスフィルター)

ローパスフィルターの効果

ハイカットと同じ意味で、低域の音だけを通すフィルター。
シンセの「カットオフ」もこれにあたります。
DTMとは違いますが、デジカメなどの撮影で録れた音声など、高域の雑音の帯域をカットするのにもよく使われます。

HPF(ハイパスフィルター)

ハイパスフィルターの効果

ローカットと同じ意味で、高域の音だけを通すフィルター。
DTMではこのフィルターが不可欠で、各楽器にこの処理を行います。
マイクなど機材に直接ローカットのスイッチがついているものもあります。

BPF(バンドパスフィルター)

バンドパスフィルターの効果
ハイカットとローカットがどちらも設定した状態のフィルター。
低域と高域の音を通さないため、レンジが狭くなりラジオや電話の音声のようになります。
ローファイサウンドを作る時によく使われます。

BEF(バンドリジェクトフィルター)

上記のものと比べて使用頻度は少ないですが、狙った周波数帯域の音量を減衰(げんすい)させます。

バンドリジェクトフィルターの効果

Notch Filter(ノッチフィルター)

ライブなどの現場ではハムノイズやハウリングの周波数を、ピンポイントで狙います。

ノッチフィルターの効果

ローカットの重要性

DTMではHPF(ローカット)がとても重要になります。
マイクが拾う低音など、楽器に含まれる低音は混ざり合うとグチャグチャになってベースの邪魔をしてしまいます。
各楽器しっかりローカットをして、キック、ベース低域空間を空けてあげなければいけません。

キック&ベース

キックやベースもローカットする場合があります。
ベースはローカットすると不思議と低音がしっかり聴こえたりします。
キックの反応する帯域、ベースの帯域をアナライザで確認しながら良い位置でローカットを設定します。
設定数値は曲にもよりますが、20〜40Hzあたりにローカットを設定します。

スネア

スネアの種類でだいぶ異なりますが、芯となる帯域が80Hz前後にあるので、音圧がなくならない程度のところの以下でローカットを設定します。
スネアのローは結構邪魔になることが多いのでローカットをするとスッキリします。

ギター

ギターの美味しい厚みの部分約150Hz〜200Hzを残しつつ、ローカットをしてスッキリさせます。
ギターも低音の渋滞を起こす原因になりやすいので、たくさん楽器の重なる楽曲になるとローカットは必須です。

ボーカル

ボーカルは不要な低音をよく拾うのでローカットは必須です。
マイク自体にローカットがついてあるものも多いので録り音からローカットをしても良いです。
男性、女性よって変わってきますが、アナライザを見ながら、いらない低域150〜200Hz以下をバッサリカットしても良いです。

人の耳に聴こえない20Hz以下の音は気づかないうちにコンプなどのエフェクターが拾って、余計なリダクションがかかってしまいます。
それを防ぐためにもローカットは必要です。

フィルターで音作り

フィルターの機能を使って、動きのある音作りができるプラグインもあります。
wavesの「MetaFilter」というプラグインは、ギターピアノのような普通の音色を、フィルターの機能を使ってアナログシンセのような音作りができます。

ま と め

最近の楽曲は音がたくさん重なる曲が多くて、アレンジ、ミックスをしていてもフィルターをガンガンかける思いきりが必要になります。

その中で全体の混ざり方も重要になってくるので、いろんなフィルターを大げさにかけてミックスを試してみると、とても良い経験になります。

今回は「フィルター」をわかりやすく簡潔(かんけつ)にまとめてみました!

最後まで読んでいただきありがとうございました!!

マサツム