DTM音楽用語辞典172「ローカット」とは?

こんにちは。マサツムです。

DTMをやっているとミックスという作業に悩むときがくると思います。
ミックスにとって大切なことのひとつは、周波数の整理です。

今回は、「ローカット」を、わかりやすく簡潔(かんけつ)に説明しようと思います。

ローカット」って何?と聞かれた時に、今回の記事を参考にしていただければと思います!

ローカットとは?

ローカット(Low Cut)とは、楽器低域を抑えることをいいます。

各楽器の人の耳では聴き取りにくい低域を抑えることによって、曲全体のベースバスドラの存在を安定させることができます。

録音タイミングで、マイクローカットを入れたり、コンプをかける前にローカットを入れたり、レコーディングではローカットがいたるところで繊細に扱われます。

同じく低域を抑える手法に「ハイパスフィルター」というものがありますが、高域を通すフィルターということでローカットと同じ効果になります。

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ローカットをする理由

ミックスにおいて、低域はとても重要なポイントになります。
しっかりと低域の土台作りをして、高域できらびやかに彩り曲全体のバランスを取っていきます。
たくさんの楽器が重なっていくと、低域の必要のないパートの余計な低域が重なっていき、意味もなくぼやけてしまいます。

そして、音圧を上げる時、低域が渋滞していると音割れの原因にもなリます。

低域のやっかいなところが、耳では聴き取りにくい周波数なのに、気づかないところでコンプスレッショルドに引っかかって、適正な設定ができなくなるというところです。
そういったダイナミクス系エフェクトを扱う面でも、ローカットは大切な役割を果たします。

このように、ひとつひとつのローカットの処理が、聴きやすい楽曲のミックスに繋がってきます。

ローカットの方法と目安

ローカットの方法はEQで行うことが一般的です。
専用のフィルターなどもありますが、CPU負荷の少ないEQで積極的にローカットをすると良いと思います。

周波数の目安

ギター、ボーカルのようなマイクで音を録音するものは、ローカットは必須です。
マイクにかぶる低域はベースのジャマになります。

ギターは特にジャンルによって調整は変わってきますが、150Hzあたりから以下をローカットするとスッキリしたミックスしやすい設定ができます。
しかし、メタルなどギターのローを効かせたいジャンルでは100Hzあたりも欲しいので、それ以下をローカット調整していきます。
ギターの隠れた存在感は200Hzあたりにあるのでそのあたりを意識して、あまり広範囲でローカットしすぎないようにするのがポイントです。

ボーカル録音では、マイクの吹かれやスタンドから伝わる振動のノイズなど、歌とは関係のないところでのノイズは不必要なので、これらもローカットで軽減させることができます。
マイクには「PAD」というローカットできるスイッチが付いているものもあるので、録り音の時点でローをカットすることができます。

ベースやキックにもローカット

ベースやキックは低域を支えるのでローカットの必要がないと思う人もいるかもしれませんが、ローカットを入れることで結構聴こえ方が変わってきます。
40〜50Hz以下あたりをカットすると、人間の耳で聴き取れる範囲の低域がとてもよく聴こえてきます。

他にも上記で説明したように、ダイナミクス系のエフェクトを使う時は、耳では聴き取れない低域がジャマになってしまうので、ベース、キックにもローカットは有効です。
しかし、こちらもジャンルによっては低音をグイグイ聴かせるものもあるので、そのあたりも把握しておいた方が良いかもしれません。

とはいえ、ローカットのやりすぎには注意!

ローカットは上物のパートには必要の手法ですが、やりすぎは禁物です。
それぞれ低域のないペラペラの音だと、一体感のない曲に仕上がってしまいます。

各楽器の存在感を残しつつ全体のバランスを見て、迫力を出せるミックスが良いミックスですが、これがなかなかむずかしいのです。

ローカットのまとめ

上手なローカットの感覚は、やはり経験が必要です。
スカスカな印象にならないように、音の聴こえ方とスペクトラムアナライザでチェックしながら調整します。
ベースの聴こえ方も「ここのローを抑えるともう少し聴こえてくる」など、感覚がわかってきます。

今回は「ローカット」をわかりやすく簡潔(かんけつ)にまとめてみました!

最後まで読んでいただきありがとうございました!!

マサツム

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