こんにちは。マサツムです。
ベース音源といえば、扱いやすさと品質で人気No.1なのが「MODO BASS」だと思います。
今回はその進化版、IK Multimediaの『MODO BASS 2』の使ってみた感想と進化のポイントや「1」との比較などを、わかりやすく簡潔(かんけつ)にまとめてみました!
『MODO BASS 2』まずはひとこと。
完全に進化し、絶対的No.1生ベース音源に!
『MODO BASS 2』の 特徴
- サンプリング音源ではなく、フィジカル・モデリングによる音源で生ベースを再現。
- フィジカル・モデリングにより、CPU負荷を軽減。
- 新たに「フレットレス・ベース」と「アップライト・ベース」が追加。
- 初心者には嬉しい、演奏パターンのエディットが追加。
使ってみた感想
今回紹介するのはIK Multimediaの『MODO BASS 2』という、フィジカル・モデリング(物理モデリング)で作られたベースのソフト音源です。
人気「MODO BASS」の待望のバージョンアップされた「2」の登場です。
DTMではベースを実際に弾いて録音する人も多いですが、うまい演奏じゃないと楽曲が安定しないし音作りもなかなかむずしいです。
しかし、ベースのソフト音源は優秀なものが多く、演奏の表現も作りやすいのでソフト音源で作る人も多いです。
その中でも一番人気があるのが今回の「MODO BASS」です。
僕も一番よく使うベース音源です。
同じくらい人気のある「Trilian」というベース音源もありますが、こちらはサンプリングされたベース音源で、音のリアル感は最高です。
淡々と弾くバンドサウンドの楽曲などは、音質を優先してTrilianを使っていますが、8割方はMODO BASSを使っています。
音作りには少々時間がかかりますが、「ゴーストノート」や「グリス」や「ハンマリング」などの奏法が、MODO BASSの方が自由度が高く、どんな場面でも対応しやすいです。
このように今まではMODO BASSもいいけどTrilianの方が楽曲がしっかりするなぁとか思いつつ、2つを使い分けていました。
そして今回の「MODO BASS 2」についてです。
前置きが長くなってしまいましたが、今回の進化で完全に「生ベースはMODO BASS 2を使っていこう」と思いました!
もう僕にとって足りなかったところが、完璧に進化してくれました。
特に気に入った進化
- 基本の音質がよくなった!
- スラップ奏法の音質がかなり向上!
- アップライト・ベースが使える!
- 全体の演奏強弱が付けれるようになった!
❶ すでに何曲か制作で使いましたが、音作りにあとがけするエフェクターの量がグっと減りました。
初代MODO BASSの時はソフト内の「Amp」を切って、プリアンプ、アンプシミュレーター、低域・高域を強化するエンハンサー、コンプ・EQ処理など結構いろいろ手を加えて、芯のあるベース音作りをしていました。
しかし、今回の「MODO BASS 2」は音質がかなり向上しています。
ソフト内で充分完成系の音作りが可能です。
❷ ピック奏法の音質もかなりリアル感がアップしましたが、スラップ奏法(チョッパー)は前回と比べるとかなり良くなりました。
今まではスラップ奏法の曲は簡単なものなら自分で演奏するか、他のソフトを使っていました。
今回の音質はリアル感が増し、かなり使える音になってます。
❸ アップライト・ベース(ウッド・ベースまたはダブルベース)は嬉しい!
やっぱりアップライト・ベースを扱う曲はいまだに多いので、これはありがたいです。
しかし、これ系の音質はやはりTrilianの方が生々しいかもしれません。。
❹ 画面右下にある「VELOCITY」のスライドバーで、全体の奏法のベロシティを調整できるのがグッド!
MODO DRUMにはこの機能があって便利だったので、これがMODO BASSにもあったらなぁと思っていたのでこれは嬉しいバージョンアップです。
「MODO BASS 2」の使い方
やっぱりMODO BASSの良いところは、エディットが楽しいところです。
ベーシストなら「こんなところまでこだわれるのか」とびっくりすると思います。
パラメーターの基本的な操作は初代と変わりませんが、
上に並ぶ7つの項目「MODEL」「PLAY STYLE」「STRING」「ELECTRONICS」「STUDIO」「PATTERNS」「CONTROL」からエディット画面を選んで音作りをしていきます。
ベースのモデルや奏法によってパラメーターが若干変わってくるので混乱するかもしれませんが、基本的には同じような内容です。
MODEL/ベースの種類
楽曲のジャンルにあったベースの種類を選択します。
22種類ありますが、ハズレはないので楽曲に合わせていろんなベースが使えて便利です。
「2」でベースの種類が的確に増えているのは嬉しいです。
PLAY STYLE/奏法
ここでは奏法の設定ができます。
「FINGER」「PICK」「SLAP」・・・奏法を指弾き(FINGER)かピック(PICK)かチョッパー(SLAP)かを選択します。
「MUTING」・・・ミュートしながら弾く奏法の強度を調整します。右に回すとサスティン(音の長さ)がなくなり短くなっていきます。
「STROKE」・・・それぞれの奏法からさらに弾き方を選択できます。
・FINGER>>>「ALT.」人差し指と中指を交互に奏法/「INDEX」人差し指のみで奏法/「MIDDLE」中指のみで奏法
・PICK>>>「ALT.」ダウンとアップのピッキングを交互に奏法/「DOWN」ダウンのみのピッキングで奏法/「UP」アップのみのピッキングで奏法
・SLAP>>>「AUTO」叩くか引っ掛けてはじくかを弦によって自動で奏法/「SLAP」叩く奏法/「PULL」引っ掛けてはじく奏法/
「TOUCH」(FINGER)「SCRATCH」(PICK)「THRESHOLD」(SLAP)・・・奏法の強さを「Hard」「Normal」「Soft」から選択します。
「LET RING」・・・「ON」にすると、弦が響き続けます。前の音が途切れないというメリットはありますが、通常の打ち込みは「OFF」がいいです。
「FINGERING」・・・フレットを抑える運指の優先度を設定します。
・First Position>>>5フレット以内を優先して運指が選ばれます。
・Easy>>>ベーシストが弾くパターンに基づいて運指が選ばれます。
・Nearest>>>近いところを優先して運指が選ばれます。
「OPEN STRING」・・・「ON」で開放弦も使った運指に、「OFF」で開放弦を使わない運指になります。開放弦を使わないことで音のつながりがスムーズになります。
「DETACH NOISE」・・・指が触ったり離したりする時のノイズの量を設定します。大きくするとリアル感が増しますが、目立ちすぎるとノイズに聞こえます。
「SLIDE NOISE」・・・スライドさせた時のノイズの量を設定します。大きくするとリアル感が増しますが、目立ちすぎると楽曲を邪魔する可能性もあります。
他の項目も若干変わってきますが、上記のパラメーターを把握しておけば問題ないです。
STRING/弦
ここでは弦の設定ができます。
「FINGERBOARD」・・・フレットを選択します。通常は「Fretted」(フレットあり)ですが、「Fretless」(フレットなし)で独特な音質になり、フレットレスならではのクセやノイズが加えられます。
「STRINGS」・・・弦の本数を設定します。4弦ベースから6弦ベースまで簡単に変えることができます。弦を増やすことで通常最下音「E」から「B」まで下げることができます。
「DROP」・・・ドロップチューニングにすることができます。弦の本数を増やさずに通常最下音「E」の場合は「D」に、「B」の場合は「A」まで下げることができます。
「ACTION」・・・弦高を「High」「Standard」「Low」から選択できます。低いと弦が響くノイズが強調され荒々しいリアル感が出ます。高いとノイズのないクリアな音質になります。
「TYPE」・・・弦の種類を選択します。「Round Wound」でエッジの効いた音質、「Flat Wound」で丸い音質になります。
「GAUGE」・・・弦の太さを「Heavy」「Medium」「Light」から選択します。太いとどっしりした音になり、細いと軽い音になります。
「AGE」・・・弦の新しさを「New」弦を張りたて/「Broken in」標準/「Old」古いから選択します。新しいほどきらびやかでサスティンがあり、古いほど暖かく減衰も速めです。
「A4 REFERENCE」・・・A4のチューニングの基準数値を設定します。440.0が世界基準のチューニングです。
他の項目も若干変わってきますが、上記のパラメーターを把握しておけば問題ないです。
ELECTRONICS
ここではピックアップの設定ができます。
60’s P SC/70’s P SC/70’s J SC/Punk SC/F-Jazz SC/F-Bass Man HB/Fusion SC/Horn SC/Alm SC/Modern J SC/B.Man 5 HB/Rick n’ B. SC/Studio HB/Violin SC/Thunder HB/Japan HB/Flame SC/Devil SC/Imperial HB/Metal SC
(語尾に「SC」と付いているのがシングルコイル、「HB」と付いているのがハムバッカー)「PIEZO」・・・磁気コイルではなく振動で拾うタイプのピックアップ。混ぜて使えば音作りの幅が広がります。
「CIRCUIT」・・・「Passive」(パッシブ・ベース)か「Active」(アクティブ・ベース)か選択ができます。「Active」ではEQ調整もできます。
STUDIO/エフェクト・アンプでの音作り
ここではベースからの出力をエフェクターとアンプで音作りができます。
画面上のアンプとエフェクトボードのクリックで設定画面を切り替えることができます。
Octaver/Distortion/Chorus/Comp/Delay/Env Filter/Graphic EQ「AMP MODEL」・・・ベース・アンプの設定ができます。「Tube」(真空管アンプ)と「Solid State」(トランジスタアンプ)の2つが用意されています。
PATTERNS
「2」から演奏パターンが使えるようになりました。
マウスでドラッグ&ドロップでDAWに貼り付け使用することができます。
ジャンルやプレイスタイルなどでカテゴリー分けされていて、膨大にあるパターンからイメージのものを選びやすくなっています。
CONTROL
ここではたくさんあるキースイッチの確認とカスタマイズができます。
「TYPE」・・・タイプを「KS」(キースイッチ)/「CC」(コントロールチェンジ)/「OFF」から選択できます。
「VALUE」・・・キースイッチあるいはコントロールチェンジの割り当てを設定できます。
「LATCH」・・・ラッチの設定ができます。「ON」で押すたびに効果のオンオフが切り替わり、「OFF」で押している間に効果が作動になります。
初代 MODO BASSの画面
ココが好き!
音質がかなり良くなった!
奏法の表現力はリアル!
コツがわかれば、イメージの音に近づけることができる!
気になった点…
ハンマリングの時、音量調整がむずかしい…。
ゴーストノートがリアルになったが、少し扱いにくくなったような…。
アップライト・ベースが音質に関してはTrilianに軍配が…。
こんな方にオススメ!
- ベース音源を探しているDTMer
- ベースに詳しい人
- レコーディングが好きな人
- IK Multimediaが好きな人
『MODO BASS 2』の まとめ
まとめとしては
といったところでしょうか?
気になった点にいろいろ書きましたが、たくさん使っているからこそこうなれば良いのにという場面が多くて、いろいろ書いてしまいました。
とはいえ、フィジカル・モデリング音源でここまでリアルを再現できるのは、もう無敵です。
サンプル音源だとここまで細かい設定や奏法を作ることはできません。
それをしようと思うと莫大なサンプルデータの量になり、ものすごく重たいベース音源になってしまいます。
そんな細かい設定も可能になっているのが、フィジカル・モデリング音源の良いところです。
組み合わせで音作りは無限大です。
音作りのコツとしてはとにかく使い方を覚えて、遊びつくして自分なりの調整方法をみつけるしかないと思います。
MODOシリーズはほかにも「MODO DRUM」がありますが、こちらもフィジカル・モデリングです。
このシリーズがどんどん進化してギターやストリングスやブラスなど開発されれば、DTM界に画期的な風を吹き込んでくれると思います。
特に個人的には「MODO BRASS」なんてできたら嬉しいです。
今回は、「MODO BASS 2」を簡潔(かんけつ)に魅力をまとめてみました!
最後まで読んでいただきありがとうございました!!
マサツム