楽曲制作は楽しいですが、DTMは「楽しさ」プラス「便利」という作曲最強のツールです。
中でもループされる効果は、DTMだと作業効率は抜群です。
そんなループ効果を作れるエフェクトが集められたおもしろいツールが、今回紹介するプラグインです。
アレンジでかなり役立つDTMerなら持っておいて損はない、オートメーション・エフェクト・バンドル、Cableguysの『ShaperBox 3』の使ってみた感想を簡潔にまとめてみました。
『ShaperBox 3』まずはひとこと。
動きのある効果音に、遊びアレンジに大活躍!
『ShaperBox 3』の 特徴
- エフェクト効果のループを作れるプラグイン。
- アレンジに使えるエフェクトが約10種類集まったバンドル。
- いろんなエフェクトを自由に重ねて使用することができる。
- とても分かりやすく作りやすいエディット画面。
『ShaperBox 3』使ってみた感想
今回紹介するのは、Cableguysの『ShaperBox 3』というプラグインです。
いろんな効果をオートメーションでループさせることのできる、エフェクトが集まったバンドル・プラグインです。
シンセでLFOを使っての音作りのように、動きのある音色を簡単に作ることができます。
オートメーションを使っての音色作りは、とても耳を引き効果的なアレンジになります。
ブラック・フライデーでちょっとした遊び心で買ったプラグインですが、結構使っています。
あと一歩面白くしようと思うと頼ってしまう、そんなとても便利ツールです。
約10種類もあるエフェクトで、面白い効果が自由自在!
9つのエフェクト+コンプが入っていますが、どれも使えます。
「ワウ」や「トレモロ」効果はDAWのオートメーションで作るような効果も分かりやすく簡単に作れます。
「ワウ」「トレモロ」「フェイザー」など、いろんなエフェクターの効果も作ることができます。
サイドチェイン風のループもお手軽に作ることができます。
イラストレーターのような感覚で動きを作れる!
動きのパターンはたくさん用意されていますが、イラストレーターを扱うようにパスをドラックして形を作ることができます。
再生しながらエディットできるので、自分のイメージ通りの効果を作ることができます。
『ShaperBox 3』使い方
『ShaperBox 3』は以下のエフェクトが入っています。
- Time(スピードを変化させる)
- Drive(歪み効果を変化させる)
- Noise(ノイズ効果を変化させる)
- Filter(フィルター効果を変化させる)
- Liquid(フェイザー/フランジャーの効果を変化させる)
- Crush(解像度を変化させる)
- Volume(ボリュームを変化させる)
- Pan(パンニングを変化させる)
- Width(ステレオ幅の効果を変化させる)
それぞれのエフェクトは使い方がだいたい共通していて、エディットもわかりやすいのでエフェクトの効果が把握できれば、簡単にアレンジに加えることができると思います。
各エフェクトの効果と使い方の説明を記載します。
もう少し効果的な楽器や使い方がたくさんあると思いますが、サンプル音源も用意したのでひとつひとつ効果を確認してみてください!
使えるかどうかの個人的な評価を★5段階でつけています。
Time(スピードを変化させる)
テンポを自由にコントロールできます。
スクラッチやテープ・ストップのような効果やリバースを加えることもできます。
小節数の指定で(上記の設定は2 Bars)効果のタイミングが変わります。
ドラム・バイパス(元の音)
Timeの効果
評価 ★★★★☆
テープ・ストップを簡単に作れるのは便利です!
このようなプラグインはあまりないので、とても重宝します。
かなりお気に入りです。
Drive(歪み効果を変化させる)
単純に歪ませるエフェクトとしても使えますが、かかり具合のタイミングを設定することでかっこいい効果を作ることができます。
上記の設定は、周波数の設定で(左上のBands)低域だけに歪み効果をつけています。
ベース・バイパス(元の音)
Driveの効果
評価 ★★★☆☆
かっこいい歪みを作ろうと思うと、他の歪み専用プラグインを使用したくなりますが、動きのある面白い効果を狙うならこれは良いです!
狙った周波数だけ歪ませられるエディットは、分かりやすくて便利に使えます。
うまく設定すれば、ワブルベースのような音も作れます。
Noise(ノイズ効果を変化させる)
ノイズをリズムに合わせて加えることができます。
ノイズのタイプはポピュラーなものから、ローファイやデジタルノイズやビットクラッシャーのようなものまで、いろんなノイズの種類の中から選ぶことができます。
上記の設定は、リズム良くうすくノイズのループが乗っかるような設定になっています。
シンセパッド・バイパス(元の音)
Noiseの効果
評価 ★★★☆☆
最近の楽曲にはノイズ音は重要なので意外と重宝します!
レコード・ノイズ、テープ・ノイズを加えてビンテージ・サウンドも作れます。
Filter(フィルター効果を変化させる)
フィルターで周波数をコントロールして、ワウの効果も作れます。
手動でパスを書けばよりリアルなベダル奏法を表現できます。
上記の設定は、機械的な周期でパスを作り「Cutoff」と「Resonance」で気持ちの良いところを狙って設定しています。
ギター・バイパス(元の音)
Filterの効果
評価 ★★★★☆
ループにはなりますが、ワウの効果を簡単に組めるので便利です!
他にもEDM定番のライザー・サウンドなどいろんな楽器に使いどころがあり、アレンジに活躍できます。
Liquid(フェイザー/フランジャーの効果を変化させる)
音の揺れを作る「フェイザー」か「フランジャー」の選択ができます。
上記の設定は、「Mix」も35%にして原音に混ぜるようにしています。
右の「Envelope」をONにして設定しています。
ドラム・バイパス(元の音)
Liquidの効果
評価 ★★☆☆☆
目で見てわかるモジュレーション系は、希少なので便利です!
音質にこだわると専用のプラグインを使いたくなりますが、こういったモジュレーション系はアレンジに活躍できます。
歪んだギターに合わせてジェットサウンドも作りやすいです。
Crush(解像度を変化させる)
音の解像度を低くして、Lo-Fiサウンドを作ることができます。
上記の設定は、オートメーションで動きをつけてループを作り出しています。
ベース・バイパス(元の音)
Crushの効果
評価 ★☆☆☆☆
解像度を崩してローファイ・サウンドを作ることができますが、専用のプラグインと比べていい感じのローファイ・サウンドを作るのはむずかしいです。
あまりオートメーションを描いて解像度を下げるという場面は少ないですが、遊んでいると効果的な面白いループが作れたりします。
効果を狙えば、エレクトロ・ミュージックなどのアレンジに使えます。
Volume(ボリュームを変化させる)
音量のオートメーションでループを作ることができます。
トレモロやサイドチェインの効果も作ることができます。
上記の設定は、トレモロの効果を作っています。
シンセ・バイパス(元の音)
Volumeの効果
評価 ★★★★★
ダントツで一番使えます。
ボリュームのオートメーションはDAW上で作る人が多いと思いますが、ループで効果を作りたいなら簡単に作ることができて便利です。
Pan(パンニングを変化させる)
LRのパン振をオートメーションで描くことができます。
上がL側で下がR側になります。
いたってシンプルな操作で簡単にイメージ通りのエディットができます。
シンセ・バイパス(元の音)
Panの効果
評価 ★★★★☆
パンニングのプラグインはいくつかありますが、このツールは分かりやすくて作りやすくて良いです。
一定のパターンでパンニングすることも多いので、このツールはとても重宝します。
Width(ステレオ幅の効果を変化させる)
ステレオ・イメージャーも音作りにアレンジにと、分かりやすく効果を作ることができます。
上記の設定は、高域だけをモノラルから徐々にワイドに広がっていく設定にしてあります。
ドラム・バイパス(元の音)
Panの効果
評価 ★★☆☆☆
ステレオ・イメージャーがオートメーションかけるのは便利ですが、なかなかそういった場面がないので他のメーカーの気に入ったものを固定で使うことの方が多いです。
しかし、重ねて少しステレオ感も出したいというときは、便利なアイテムです。
おまけのコンプも便利!
コンプもおまけで付いていますが、ついでにコンプもかけておこうというときは便利です。
3バンドで大まかに設定できるマルチコンプですが、コンプの質感は硬めでパーカッシブのコンプには良いですが、ナチュラルでしっかり効果をかけるという使い方はむずかしいです。
ココが好き!
カラフルにエフェクトが分かれていて分かりやすい!
たくさんエフェクトを重ねられて、かなり個性的な音まで追い込める!
これだけエフェクトを重ねてもCPU負荷が軽い!
気になった点…
ランダムな要素もあってよかったかも…。
こんな方にオススメ!
- DTMでアレンジまで作る人
- 音遊びから曲を作る人
- 効果音をよく作る人
『ShaperBox 3』 まとめ
まとめとしては
といったところでしょうか。
アレンジをしているとオートメーションを書いて効果音を作ることがよくあります。
今まではDAW上で作っていたエディットが簡単に、しかも効率が良く作れるこのプラグインは、DTMerが持っておきたいイチアイテムだと思います。
僕は中でも「TimerShaper」「VolumeShaper」「PanShaper」、この3つはかなり使います。
今回は、Cableguys『ShaperBox 3』の使ってみた感想を簡潔にまとめてみました!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
マサツム