ミックスしながら楽曲を作っていく上で、とても重要になってくるのがコンプです。
ひとことコンプといっても、いろんな種類に分類されて名前がたくさんあります。
しくみは同じであっても、それぞれの特性を知ることがとても楽曲制作に役立っていきます。
今回は、その中でもたまに耳にする「グルーコンプ」をわかりやすく簡潔(かんけつ)に説明しようと思います。
「グルーコンプ」って何?と聞かれた時に、今回の記事を参考にしていただければと思います!
グルーコンプとは?
グルーコンプ(Glue Comp)とは、グルーは日本語で「糊(のり)」「接着剤」の意味を持つように、音をまとめて一体化させるコンプのことをいいます。
「FETコンプ」「オプトコンプ」「VCAコンプ」のような機材の種類を指すネーミングではなく、音に一体感をもたらすという効果に対してのネーミングです。
「グルーコンプレッサー」を略して「グルーコンプ」といいます。
コンプのプリセットをみていると「Glue」という項目がたまにありますが、グルーコンプの意味を知っていると、このプリセットは音をまとめる設定がされているということが分かります。
パラメーターにも「Glue」という項目があるものもあります。
ミックスでとても重要なバスコンプは、このグルーコンプの役割がポイントになってくるので、しくみや設定を把握しているとより良いミックスの調整ができると思います。
コンプの役割
コンプレッサーは音を圧縮するエフェクターで、とてもよく使うツールです。
かけ方や機材の特性によって音作りは変わってきますが、コンプによって得られる効果は以下のようになります。
- 音の粒を揃えて、演奏を安定させる。
- アタックを目立たせて、パンチを加える。
- 余韻をコントロールして立体感を作る。
- 機材の質感・サチュレーションの成分を加える。
- 音全体をまとめて、一体感を出す。
など他にもコンプの効果を挙げれば細かくありますが、ここに挙げた5つ目の「音全体をまとめて、一体感を出す。」これがグルーコンプです。
グルーコンプの設定
グルーコンプというワードがよく出てくるのは、バス・トラックかマスター・トラックだと思います。
バス・トラックはドラムやギターやコーラスなど、複数のトラックをまとめたトラックなので、バス・コンプを使って音をまとめていきます。
マスタートラックにももちろん効果的ですが、ドラム・バスにはとても効果を発揮します。
各キットをまとめて、ドラムが一体となって安定します。
その時の設定は楽曲によってBPMやパンチ感などで変わってきますが、「アタックはゆっくり」「リリースは速く」を意識して確認しながら設定すると、ナチュラルにまとまりのあるグルーコンプの効果になると思います。
グルーコンプなしのドラム・バス
グルーコンプありのドラム・バス
グルーコンプの注意
グルーコンプをかけると全体的に粒も揃い、良いサチュレーション感が音と音をまとめてくれます。
強めるとまとまって音圧も上げることができて気持ちが良いのですが、楽曲全体の中で出て欲しいフレーズなどが引っ込んでしまい、全体的に団子状態で広がりもなくなり、良いミックスから離れていってしまいます。
安定するので強くかけたくはなりますが、ちゃんと確認しながら調整した方が良いです。
かけすぎは注意です。
ま と め
僕は最初グルーコンプは「グループにするコンプ」の略かと思っていました。
意味にあまり違いはないですが、接着剤という意味を知ると、「音を一体化する」という効果にはバッチリなネーミングだと思います。
プラモデルも組み立てるだけではなく、しっかり接着していくと頑丈なものができます。
そう考えると、グルーコンプを通じて演奏を一体化させる重要性も理解できます。
今回は「グルーコンプ」をわかりやすく簡潔(かんけつ)にまとめてみました!
最後まで読んでいただきありがとうございました!!
マサツム