音楽で人間味を表現するのは、ダイナミクスの調整がポイントになります。
そして、ミックスをうまくまとめるのも、ダイナミクスの調整がポイントになります。
今回はDTMの中ではかなり重要な「ダイナミクス」をわかりやすく簡潔(かんけつ)に説明しようと思います。
「ダイナミクス」って何?と聞かれた時に、今回の記事を参考にしていただければと思います!
ダイナミクスとは?
ダイナミクス(Dynamics)とは、音楽用語では音の強弱のことをいいます。
音の要素には「高さ」「長さ」「強さ」「音色」が入っています。
一つの演奏を作るのに、「強さ」はとても重要な要素になります。
楽器を演奏する際に、弱く奏でたり・強く奏でたりして抑揚(よくよう)をつけます。
これによって演奏に感情が入り、より人間味のある表現ができます。
打ち込みでは、ベロシティを使って演奏に強弱をつけたり、エフェクターでダイナミクスをコントロールをします。
物理学の用語ではダイナミクスのことを「力学」や「動力学」の意味を持ちます。
演奏でダイナミクスを表現
楽器の演奏では、弾き方で強弱を表現していきます。
打楽器(パーカッション)のような楽器は、優しく弾くか強く弾くかでダイナミクスが大きく変わってきます。
歌も同じで、「優しくささやくように歌ったり」「力強く歌ったり」して抑揚をつけていきます。
楽譜を見ながら演奏する場合は、表記したがって強弱を表現します。
- pp(ピアニッシモ)・・・とても弱く。
- p(ピアノ)・・・弱く。
- mp(メゾピアノ)・・・少し弱く。
- mf(メゾフォルテ)・・・少し強く。
- f(フォルテ)・・・強く。
- ff(フォルティッシモ)・・・とても強く。
上記よりもさらに大きい表現の「ppp」(ピアニッシッシモ)や「fff」(フォルティッシッシモ)もよく出てきます。
打ち込みでダイナミクスを表現
MIDIでドラムやキーボードなど打ち込みをするときは、ベロシティの数値でダイナミクスを表現します。
強さを数値でコントロールできるので、DTMで人間味のあるリアルな演奏を打ち込むには必須のパラメーターです。
他にも大事になってくるのが、ボリュームコントロールです。
ベロシティでも音量に差はつきますが、さらにボリュームフェーダーで抑揚をつけると、もっとリアルに近づきます。
面倒な作業ですが、やる価値はありです。
エフェクターでダイナミクスを表現
エフェクターを「EQ」「サチュレーション」「モジュレーション」「空間系」など、系統で分けるときに、「ダイナミクス系」という部類があります。
これに該当するエフェクターはたくさんあります。
- コンプレッサー
- リミッター
- マキシマイザー
- エキスパンダー
- ディエッサー
- ゲート
- トランジェント・シェイパー
- ボリュームペダル
他にも、細かく分ければいろんなエフェクターが「ダイナミクス系」に含まれます。
コンプレッサー
音を圧縮して、大きな音圧を抑えつつ、音のツブを整える。
リミッター
音量の上限を設定し、そのレベルを超えないようにして、クリッピングを防ぐ。
マキシマイザー
扱いはリミッターに似ていて、主にマスターで2mixの音圧を稼いでくれる。
エクスパンダー
扱いはゲートに似ていて、逆に小さな音以外を強調する。
ディエッサー
ボーカルの耳につく歯擦音を抑える。
トランジェント・シェイパー
アタックよりも、もっと瞬間の音を強調する。
ボリュームペダル
ボリュームを変化させ、ダイナミクスを作るペダル。
ダイナミクスを理解して良いミックスを
「ダイナミクスはあればあるほど良い」というわけではありません。
不自然なダイナミクスが聴き手に伝わってしまうと、どうしても素人臭い録音に聴こえてしまいます。
自然だけど、とても抑揚の表現が伝わるというパートの音作りが必要です。
ミックスに関してもダイナミクスは重要になってきます。
例にあげると、ダイナミクスのないベッタリ状態のオケに、抑揚のついた歌が乗っかると、どうしても浮いてしまいます。
このように、各パートのダイナミクスを合わせることによって、ミックスがうまくまとまってきます。
ま と め
今回あげたように、ダイナミクスは音楽にとって、とても重要な要素がたくさんあります。
よく理解して音作りから演奏、そしてミックスまで作業できれば、完成作品が変わってくると思います。
今回は「ダイナミクス」をわかりやすく簡潔(かんけつ)にまとめてみました!
最後まで読んでいただきありがとうございました!!
マサツム