こんにちは。マサツムです。
マスタリングの作業工程で「ラウドネス」という言葉を良く聞くと思います。
うまく利用すればとても心強いアイテムです!
今回は「ラウドネス」を誰にでも分かりやすく簡潔(かんけつ)に説明しようと思います。
「ラウドネス」って何?と聞かれた時に、今回の記事を参考にしていただければと思います!
ラウドネスとは?
ラウドネス(Loudness)とは、人間が耳で感じる音の大きさのことをいいます。
ラウドネスメーターを活用すれば、低域の音など、人間では聴こえにくい周波数も考慮しつつ調整ができます。
ラジオやテレビの音声を聴感上(ちょうかんじょう)統一させるために使われていましたが、近年では音楽にも取り入れられています。
楽曲の聴こえ方の調整として使用するのはもちろんですが、YouTubeやSpotifyなど規定の音圧の数値に合わせることにも活用されています。
PEAK、RMSとの違い
PEAKメーター
クリップを防ぐためのチェックに便利。
RMSメーター
マスタリングなどで便利。
LOUDNESSメーター
最終調整に便利。
ラウドネス曲線の見方
人間の耳で聴きやすい周波数と聴きにくい周波数の値をわかりやすく確認できるのが、「ラウドネス曲線」のグラフです。
ラウドネス曲線の見方
縦軸が音圧(dB)で横軸が周波数(Hz)です。
中の赤線がラウドネス曲線で人間の聴感のグラフです。
3kHzの音を40フォンの大きさで聴きたい時は音圧を36dBあたりにしないといけません。(緑の線)
50Hzの音を同じく40フォンの大きさで聴きたい時は音圧を76dBあたりにしないといけません。(オレンジの線)
こうやってみてみると2kHzから4kHzあたりが、人間の耳に聴こえやすいということがわかります。(黄色地)
ミックス時にこの2kHzから4kHzあたりが、いろんな楽器がケンカし合うと、とても耳につく聴きにくい楽曲になってしまいます。
聴こえにくい50〜60Hzあたりのバスドラやベースの低域を、聴こえないからといってむやみに上げてしまうと、低音の音圧ばかり上がってコンプのかかり方にも影響してきます。
気付かずに音割れという原因にもなってしまいます。
音圧戦争
音楽は時代が進むにつれて、どんどん音圧を上げられていき、CD全盛期の90年代のでは「音圧戦争(ラウドネス・ウォー)」という戦いが全世界で勃発しました。
この頃は音圧をCDの上げられるいっぱいにベッタリ天井に当たって圧縮された音楽が出回っていました。
ジャンルとしては特にギターロックの楽曲が激しかったと思います。
この音圧の張り合いの時代に活動していた「Oasis(オアシス)」や「Red Hot Chili Peppers(レッド・ホット・チリ・ペッパーズ)」がラウドネス戦争の犠牲者と呼ばれています。
現代では音圧というよりダイナミクスがしっかり感じられるマスタリングの傾向にありますが、それでもまだジャンルによっては音圧戦争は終息していないように思えます。
ま と め
音圧が上がると人は「いい音になった」という錯覚(さっかく)してしまいます。
音圧も大事ですが、そればかり気にしてしまうとダイナミクスや低音の良いところが活かされなかったりします。
そうならないためにもマスタリング前に、音圧の上げやすいミックスが大切になってきます。
そのためには、ラウドネスの知識がポイントになってくると思います。
今回は「ラウドネス」をわかりやすく簡潔(かんけつ)にまとめてみました!
最後まで読んでいただきありがとうございました!!
マサツム