こんにちは。マサツムです。
昔からレコーディングには「位相」は重要なワードになります。
最初の頃はフェーズ・スコープをただただ「気持ちいいなぁ」とずっと眺めていました。
しかし、位相とはそんな飾りのものではなく、理解していないと、せっかく録音した音も台無しにしてしまうほど重要なことです。
今回は「位相」誰にでも分かりやすく簡潔(かんけつ)に説明しようと思います。
「位相」って何?と聞かれた時に、今回の記事を参考にしていただければと思います!
位相とは?
位相(phase) とは、振動の音がプラスとマイナスに相対していく変化をいいます。
レコーディングでは、この位相を把握してコントロールできるかできないかで、ミックスに差が出てしまいます。
DAWの中でわかりやすく言うと波形です。
オーディオファイルをアップにした時に見られる形です。
位相のズレによって起こる症状
同じトラックを同時に再生した時、位相がずれていると音が引っ込んだり、素材そのものの音が聴こえてこないという現象が起こります。
音が打ち消しあう
ミックス中、もしも波形がまるっきり反転してしまうとプラスとマイナスで打ち消しあって、音は消えてしまいます。
音がうねる
今度は少しだけずれていると、打ち消し合うか合わないかのような感じで、音がうねり始めます。
ズレ方によっては耳障りの悪い音になります。
位相による音の劣化を防ぐには
こういった位相のズレはマイクを2本以上立てて録音すると距離感や録音の状況で位相のズレが発生します。
ドラムのキックやスネア、ギターアンプ、ピアノなどなどマイクを数本立てて録音することはよくあります。
そのほかには、プラグインによるレイテンシーなどで位相がズレることもあります。
一般的に位相のズレは波形を揃(そろ)えるか、片方を反転させると解消されます。
反転の方法はEQなどによく逆位相ボタンが付いているので、そちらを押せば波形は反転します。
小さいものはわかりにくいですが、逆位相ボタンに赤丸を付けてみました。
位相をトラック間で自動で調整してくれる、とても便利なプラグインもあります。
フェーズ・スコープでチェック
フェーズ・スコープとは、ステレオチャンネルの出力の定位(左右のパンニング)を表示しながら位相のチェックができる機材です。
上半分180度のものと360度のものがあります。
ベクトル・スコープとも呼ばれます。
プラグインでもたくさん出ています。
モノラルの音信号は縦垂直に表示されます。
左右斜め45度までの範囲が正相の範囲で、それ以上の左右90度までが位相の範囲として表示されます。
位相が増えすぎると聴きにくい音楽になるので、注意が必要です。
かといって正相だけだと広がりにかけてしまいます。
たくさんミックスを経験して、程よいバランスを感覚で見つけることが大切です。
位相を効果的に使う
位相は音を引っ込めてしまったり、うまく処理をしないと厄介(やっかい)なことですが、位相によっていろいろな効果も得ることができます。
例えば、エフェクターの「コーラス」「フェイザー」「モジュレーション」などは位相を使って効果を作ります。
MS処理も位相を使ってサイド広がりを作るという効果もあります。
位相をずらすことによって、ステレオイメージャーの効果でさらに外側の右、左から聴こえるようになります。
普段の生活で右の遠くから聴こえてくる感覚を再現しています。
豆知識
このようにいろんなところで位相の特性は生かされています。
ま と め
ミックスしていて位相で音が埋まってしまっている状態を見つけるのはむずしいですが、慣れてくると聴いた感じで「これは位相で音が埋もれてる!」とわかってきます。
DTMerにとってむずかしく大きな壁のひとつの「位相」ですが、これはプラグインに頼らず自分の耳で判断できるように慣れればとても有利です。
今回は「位相」をわかりやすく簡潔(かんけつ)にまとめてみました!
最後まで読んでいただきありがとうございました!!
マサツム