ミックスをしていてPAN(パンニング)は、「真ん中」「左」「右」と音を配置して、とても分かりやすく組み立てていける手法です。
しかし、たまに左右のスピーカーよりも外側で、ギターの音や効果音が聴こえることはないでしょうか?
実はPANだけでは作れない定位の手法があります。
今回は「ステレオイメージャー」をわかりやすく簡潔(かんけつ)に説明しようと思います。
「ステレオイメージャー」って何?と聞かれた時に、今回の記事を参考にしていただければと思います!
ステレオイメージャーとは?
ステレオイメージャー(Stereo Imager)とは、音像を左右に広げることのできるエフェクターのことをいいます。
単にパンニングで左右に広げるのではなく、ディレイやピッチのずれや位相の効果を使って音が広がります。
効果を強くかけるとスピーカーよりもさらに外側から聴こえるという現象を作り出すことができます。
モノラルのデータも、ディレイを使ってステレオに変換し、広がりを作ることができます。
反対にステレオデータをモノラルに変えることもできます。
ステレオエンハンサーというエフェクターもありますが、ディレイを使って左右の音を際立たせる、こちらもステレオイメージャーになります。
ステレオイメージャーをよく使う場面
プロのミックスを参考に、パンニングでのLR振りだけで定位を作ろうとしても、思ったようなステレオの広がりが作れないことがよくあります。
そんなときにステレオイメージャーを使うと、PAN振りでは作れない空間を作り出せて、イメージに近き解決できることがあります。
ステレオイメージャーを効果的に使う方法はいろいろありますが、よく使うトラックはこんな感じです。
ステレオイメージャーの注意点
ステレオイメージャーを使うと、すごく分かりやすく広がってくれるので、みんなついついやり過ぎてしまいがちですが、やりすぎが禁物なエフェクトです。
いろんな楽器にかけてしまうと、前に出てくる音と引っ込む音が収拾がつかなくなっていきます。
音そのものの良さが消えてしまったり、耳心地の悪い位相特有のシュワシュワ感が出てしまいます。
音を作るというより錯覚を作るといった感じなのでやはり、ここぞというときに、ここぞというトラックにかけることを心がけると良いです。
ただ使えば音が広がるという感覚で使用するより、仕組みを頭に入れて使用できるとミックスのコントロールがうまくいくと思います。
ステレオイメージャー専用プラグイン
ステレオイメージャーの効果は、DAW上ではトラックを組み合わせてディレイと位相を使って、その広がる効果を作ったりしていましたが、専用のエフェクターを使えば、簡単な操作で効果を得ることができます。
有名なステレオイメージャーのプラグインをいくつか紹介します。
iZotope『Ozone 9 Imager』
・帯域ごとにかけられるステレオイメージャー。
・見やすくわかりやすいエディット。
・Ozone 9の付属ソフト。
SoundToys『MicroShift』
・「H3000」と「Neve DMX 15-80」を元に作られたピッチシフト・プラグイン。
・様々な効果でステレオの効果を作れる。
waves『S1 Stereo Imager』
・「Shuffler/Imager/MS Matrix」の3つのツールからなる、ステレオ処理プラグイン。
・位相ずれからなる音質変化を回避する補正機能。
『ステレオイメージャー』のまとめ
ステレオに広げる調整はとても難しいので、一つは必ず欲しいエフェクターです。
EQやコンプにプラスアルファでステレオイメージャーが付いているものもあって、それを使ってもちゃんと効果はありますが、やはり専用のプラグインがあると分かりやすいので頼りになります。
今回は「ステレオイメージャー」をわかりやすく簡潔(かんけつ)にまとめてみました!
最後まで読んでいただきありがとうございました!!
マサツム