こんにちは。マサツムです。
今回はボーカルエフェクト、iZotopeの『VocalSynth 2』の使ってみた感想、そして使い方を詳しくまとめてみました。
「ケロケロボイス」「ボコーダー」「ロボットボイス」「ラジオボイス」など、こういった声を加工する手法は楽曲を聴いていてとても耳を引く、いつまでたっても色あせない効果です。
これらの効果はいろんなエフェクトを駆使して作るものでした。
DTMになって簡単に編集できるようになりましたが、このような声の加工をひとつのプラグインでできるツールが『VocalSynth 2』です。
いろんなエフェクトを搭載したこのプラグインは、声を加工して遊ぶ最強のアイテムだと思います!
『VocalSynth 2』まずはひとこと。
これひとつで、おしゃれな声で遊び放題!
『VocalSynth 2』の 特徴
- 声を5つのモジュールで、シンセのような音作りが可能。
- 歌処理に役立つエフェクトが7つ搭載。
- さまざまな信号で操作できる「Auto」「Midi」「Sidechain」の3つのモード。
- iZotopeの製品の同士でのコミュニケーションが可能。
\iZotope『VocalSynth 2』の購入はこちら/
↓↓↓
使ってみた感想
今回紹介するのは、iZotopeの『VocalSynth 2』というボーカルエフェクトのプラグインです。
「ケロケロボイス」「ボコーダー」「ロボットボイス」「ラジオボイス」「ピッチ変更」「フォルマント変更」などなど、歌の遊び効果が加工できるモジュールが集結したプラグインです。
歌によく使うエフェクトもたくさん入っているので、このツールひとつで結構いろんなことができます。
もちろん歌だけではなく、ドラム、ベース、ギターいろんな楽器にかけても面白い効果を得られるので、現代的な音楽に活躍できるアイテムです!
ひとつ注意して欲しいところは、これは声の品質を上げるツールではなく、変化させて面白い効果を作るという、逆に声質を壊して目立った効果音を作るというツールです。
ミックスで歌を良くするために使うプラグインではありません。
簡単にケロケロボイスも作れる!
「PICTH」を設定すれば、オートチューンの機能も使えます。
感度やスピードが調整できるので、大雑把ですがイメージに近づけることができます。
Breathの変化に感動!
「Biovox」の「Breath」を上げていくと、ウィスパーボイスのようなささやく声に近づいて感動しました。
曲全体の歌い方をウィスパーボイスに変えるというのは少々無理がありますが、効果的に使えばアレンジに使えます。
MIDIモードが面白い!
「MIDIモード」では、MIDIキーボードの操作でシンセの効果を加えることができるので、シンセ・エフェクト効果の可能性はかなり広がります。
遊んでいて楽しいいです!
原音を切れば完全にボコーダーとしても使えます。
エフェクター部分もシンプルでかなり使える!
歌のエフェクトに良く使うものが、7つも揃っています。
シンセにプラスして、必ずエフェクトでブラッシュアップしたくなるので、この搭載はありがたいです。
なぜリバーブが付いていないんだろうとは思いましたが、全部シンプルで使いやすくて便利です!
うまく使うコツ!
もともとある素材を加工して効果的な声を作るのではなく、
- 最終的に作りたい加工後の声を想定して録音する
- そして「VocalSynth 2」を使ってイメージに近づける
という方法がこのプラグインをうまく使うコツだと思います。
歌い方でかなりモジュールの変化が違ってくるので、加工後の声をイメージできていれば、あらかじめ意識して録音するとイメージの音作りへ近道になります。
もちろん普通に録音したものに「VocalSynth 2」で効果を加える使い方にもとてもいいツールです。
とにかく触って遊ぶが◎
こういったツールのパラメーターは文字で見ても分かりにくいです。
触った感触で音の変化を確認しながら使い方を覚えていくのが一番です。
ひとつひとつの大まかな役割だけ覚えてどんどん遊びましょう!
『VocalSynth 2』の使い方
はっきり言って、細かく分けるとパラメーターがかなりあります。
まずはひとつひとつのツールがどんな役割をするのかを覚えると良いです。
シンセモジュール
❷「Vocoder」(ボコーダー)・・・ 周波数を細かく分けて発信する、機械音のような声になります。
❸「Compuvox」(コンピュボックス)・・・ ビットを変えて、ローファイ・ロボットボイスのような効果を加えることができます。
❹「Talkbox」(トークボックス)・・・ トークボックス(トーキング・モジュレーター)をイメージした音が作れます。
❺「Polyvox」(ポリボックス)・・・ ハーモニーやダブリングを作ることができます。
エフェクター
❼「Filter」・・・ フィルター
❽「Transform」・・・ トランスフォーム
❾「Shred」・・・ シュレッド
❿「Chorus」・・・ コーラス
⓫「Delay」・・・ ディレイ
⓬「Ring Mod」・・・ リングモジュレーター
その他の項目
⓮「Meter/XY」・・・モジュールの反応をまとめて確認できるUI。
⓯「OUTRUT」・・・パンなど最終調整して出力します。
⓰「MODE」・・・3つのモードから選択できます。
⓱「Preset」・・・プリセットが用意されています。
5つのモジュールの使い方
5つのモジュールは、シンセエンジンがいくつか用意されていて(Polyvox以外)、それぞれの枠の下にある◀︎▶︎(三角)の左右で切り替えることができます。
その右にある縦3本のフェーダーアイコンをクリックすると「Advanced panel」が開き、さらに細かくシンセの部分を設定することができます。
右の「Lvl」フェーダーで、それぞれ効果のレベルを調整します。
❶「Biovox」の使い方
「Clarity」・・・フィルターの量を調整。下げていくとよりシンセ信号の量が増えて、音が潰れていきます。
「Shift」・・・フォルマントの調整。
「Nasal」・・・数値を上げると、鼻声のようなトーンに変化。
「Breath」・・・数値を上げると、ささやくような声に変化。
Advanced panel
「VOWEL」で中心となる母音のブレンドをマウスで動かして設定できます。
「SYNTH」では、オシレーターなどシンセのパラメーターと同じように調整できます。
❷「Vocoder」の使い方
「Hard」「Vintage」「Smooth」・・・3つのボコーダーのタイプから選択。「Smooth」で周波数の分解がもっとも広く、「Hard」がもっとも狭くなっています。
「Shift」・・・周波数のシフト量を調整。上げると明るく、下げると暗い音色に変化。
「Scale」・・・母音への変化の速さを調整。上げると硬く、下げると柔らかい音色に変化。
Advanced panel
「BANDS」で周波数帯域ごとにVol(音量)とPan(左右の定位)を設定できます。
「SYNTH」では、オシレーターなどシンセのパラメーターと同じように調整できます。
❸「Compuvox」の使い方
「Bits」・・・ビットクラッシャーのような効果になります。
「Bytes」・・・母音を伸ばすことができます。
「Bats」・・・デスボイスのようなノイズが乗ってきます。
「Read」「Spell」「Math」・・・3つのタイプから選択。「Math」がもっとも広く、「Raed」がもっとも狭くなっています。
Advanced panel
「SYNTH」では、オシレーターなどシンセのパラメーターと同じように調整できます。
❹「Talkbox」の使い方
「Drive」・・・歪みが加わっていきます。
「Speaker」・・・トークボックスへのたたみ込み量を調整します。
「Format」・・・フォルマントの調整をします。
「Dark」「Classic」「Bright」・・・3つのタイプから選択。「Dark」がもっとも暗く、「Bright」がもっとも明るくなっています。
Advanced panel
「SYNTH」では、オシレーターなどシンセのパラメーターと同じように調整できます。
❺「Polyvox」の使い方
「Format」・・・フォルマントの調整をします。
「Character」・・・ハーモニーとキャラクターが近づき、なじみが良くなっていきます。
「Humanize」・・・ピッチとタイミングのオフセットを調整して、位相を緩和さえることができます。
Advanced panel
こちらは他のモジュールと違い「SYNTH」の調整はなく、「Pan」と「Filter」の調整ができる「MIX」のみです。
ハーモニーの設定は ⓭ の「VOICING」で調整することができます。
7つのエフェクター
歌処理に必要なエフェクターが搭載されています。
5つのモジュールで加工した後に、エフェクターの処理でもっと個性を作れるので、このツールはありがたいです。
基本的にシンプルなパラメーターで、共通して右のフェーダーで「Dry/Wet」の割合をMIXできます。
マウスでドラッグして入れ替えて、ルーティングを変更することもできます。
❻ Distort
歪みです。サチュレーションを加わえることができます。
「Drive」・・・歪みの量を調整します。
「Tone」・・・明るさを調整します。
「Warm」「Analog」「Edgy」「Fuzz」・・・4種類の歪みのタイプから選択できます。※
※ ウォーム(暖かな歪み)/アナログ(ビンテージ感ある歪み)/エッジ(鋭くエッジの効いた歪み)/ファズ(過剰に潰れた歪み)
❼ Filter
フィルターです。ローパス、ハイパス、レゾナンスのコントロールと設定ができ、調整次第で音作りにかなり影響が出ます。
「Freq」・・・フリケンシー(周波数)を調整します。
「Res」・・・レゾナンスを調整します。
「NP LP」「NP HP」「Scream」「Combo」・・・4種類のフィルターから選択できます。※
※ ローパス・フィルター(低域を通す)/ハイパス・フィルター(高域を通す)/スクリーム(シャープなQ幅)/コンボ(ローパス・ハイパスの組み合わせ)
❽ Transform
トランスフォームです。スピーカー・シミュレーターのようなものです。
「Cambridge」「Oxford」「Sterling」「Radio」「Bass」「Creep」「Bright」「Hollow」・・・8種類の出力環境から選択できます。※
「Width」・・・ステレオの広がりを調整します。
※ ケンブリッジ(ドンシャリ)/オックスフォード(中域の盛り上がった音)/スターリン(高域寄りの音)/ラジオ(低域と高域をカットした古い音)/ベース(中域がカットされた音)/クリープ(iZotopeによって作られたIR)/ブライト(空気感が強調される音)/ホロー(空っぽの箱を鳴らしたような音)
❾ Shred
スタッターです。設定したタイミングで発音を繰り返す、ディレイのようなボーカルチョップのような効果になります。
「Length」・・・音を取り込む長さを調整します。
「Seq」・・・テンプレートの切り替わり方を8通りから選択します。
「A」「B」「C」・・・3つのテンプレートをセットできます。
❿ Chorus
コーラスです。ダブリングやステレオ・イメージャーのような効果も作れるコーラスは、声関係の音作りによく使います。
「Depth」・・・揺れの深さを調整します。
「Rate」・・・揺れの速度を調整します。
「Width」・・・ステレオの広がりを調整します。
⓫ Delay
ディレイです。空間を埋めたり、ノリを良くしたり良い仕事をしてくれます。
「Time」・・・ディレイ音の間隔を調整します。
「Fdback」・・・ディレイ音の回数を調整します。
「Width」・・・ステレオの広がりを調整します。
⓬ Ring Mod
リングモジュレーターです。機械的な効果音を作れるエフェクターです。
「Freq」・・・上げると金属音のようになり、下げるとトレモロのようになります。
「LFO」・・・三角波の速さを調整します。
「Depth」・・・三角波の深さを調整します。
その他の項目
⓭ PITCH / VOICING
「PITCH」でオートチューンを使うことができます。
ケロケロボイスも簡易的に作れて便利な機能です。
「Register」・・・入力音検出の感度を選択します。
「Lvl」・・・ピッチ補正されたレベルを調整します。
「Correction」・・・ONでピッチ効果が有効状態になります。
「Key」・・・スケールを設定します。
「Custom」・・・下に鍵盤アイコンが表示されるので、使用音階を選択します。
「Speed」・・・スナップされる速度を調整します。
「Strength」・・・ピッチ補正を音階に近づける精度を調整します。
「VOICING」でハーモニーやメロディのボイシングを設定できます。
ボコーダーのようなことも簡易的に作れて便利な機能です。
「Mono」・・・モノフォニックモードにします。発音が単音のみになります。(MIDIモード時に使用可能)
「Poly」・・・❺ のpolyvoxで作り出すハーモニーの設定ができます。(Autoモード時に使用可能)
「Glide」・・・モノフォニックモードの時、ポルタメントを設定する(MIDIモード時に使用可能)
⓮ Meter View / X Y View
中央にある画面で「Meter」「X Y」を切り替えて操作できます。
「Meter」・・・カラフルなアナライザーで、色別でまとめてモジュールを視覚的に確認できます。各アルファベットをドラックすればこの画面でLvlの調整ができます。
「X Y」・・・XとYにモジュールかエフェクトの項目をひとつずつ選択すると、XY軸でバランス調整できます。
⓯ OUTPUT
最終出力の調整ができます。
「Mix」・・・原音とのバランスを調整します。
「Gate」・・・ゲートのしきい値を調整します。
「Pan」・・・左右の定位を調整します。
「Width」・・・ステレオの広がりを調整します。
「Lvl」・・・最終出力のレベルを調整します。
⓰モードを選択
使用用途の異なる3つのモードが用意されています。
⓰ クリックすると下の画面に切り替わりここで選択できます。
「Auto Mode」・・・オーディオまたはインストゥルメントのトラックにインサートして、音作りのプラグインとして使うモードです。
「MIDI Mode」・・・指定のトラックにインサートして、MIDIの信号と連動させるモードです。鍵盤で和音を弾けば、そのコードで発音されます
「Sidechain Mode」・・・他のトラックの演奏をサイドチェイン入力で操作することができます。ギターを歌わせたり、シンセパッドのような歌を作ることができます。
⓱ preset
プリセットも6つの種類に分かれて、「Auto Mode」用と「MIDI Mode」用が用意されています。
- Classic
- Clear
- Deep
- Edgy
- Lush
- Monstrous
ココが好き!
声をインパクトのある加工ができる!
鍵盤と連動ができる「MIDIモード」がGood!
エフェクトが、非常に便利!
気になった点…
音質はもう少し良い状態がたもてるような気がしました…。
あると便利なので、リバーブは付けていてほしかった…。
こんな方にオススメ!
- 声の加工を良くする人
- 効果音を作るアイテムがほしい人
- iZotopeが好きな人
『VocalSynth 2』 まとめ
まとめとしては
といったところでしょうか!
遊んでいると本当に楽しくて、ずっと触ってしまいます。
実戦ではなかなか使う頻度は少ないですが、ここぞという効果音に引き出しが増えて嬉しいです。
完全に使いこなせれば、声ではなく楽器でどんどん活用できるツールだと思うのですが、なかなかパラメーターには勉強が必要です。
無鉄砲にいじると単純に音が劣化していき、思ったような方向に作るのがむずかしいです。
使いこなせるようになれるよう、どんどん遊んでみようと思います!
今回は、iZotope「VocalSynth 2」を簡潔(かんけつ)に魅力をまとめてみました!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
マサツム
\iZotope『VocalSynth 2』の購入はこちら/
↓↓↓