こんにちは。マサツムです。
今まで人生の中で音楽をやってきて、一番質問され、仲間と議論を続けてきた言葉「グルーヴ」。
特にバンド活動をしていると、この言葉が常について回ります。
グルーヴに関しては人それぞれ違う意見もあるかと思いますが、プロで10年以上バンド活動していた僕の思う「グルーヴ」の考えを、誰にでも分かりやすく簡潔(かんけつ)に説明しようと思います。
「グルーヴ」って何?と聞かれた時に、今回の記事を参考にしていただければと思います!
グルーヴとは?
グルーヴ(groove)とは、リズムがピッタリの間隔で音が鳴っているのではなく、ズレ(溜め)から生じられる波、うねりがあるリズムのことをいいます。
しかしこれは人によって、定義(ていぎ)が曖昧(あいまい)で、正解がありません。
曲のノリ自体をグルーヴという人もいます。
拍を溜めること自体をグルーヴという人もいます。
息のあったアンサンブルの一体感をグルーヴという人もいます。
打ち込んだ正確なリズムでも「この空間にグルーヴがある」なんていう人もいます。
一般的によく言われるのは、やはりズレ(溜め)から生じられるうねりのリズムで、2拍と4拍が溜まって(8ビートでいうスネアのタイミング)グルーヴを生み出すといわれます。
もっと細かくわけて16ビート・16シャッフルでグルグルうねらせる、これもグルーヴです。
もっと言ってしまえば、音の強弱でうねらせる、これもグルーヴを感じさせる要因にもなります。
こういったリズムの抑揚で心を動かされる、これがグルーヴです。
ジャズ、ファンク、ソウル、レゲエといったブラックミュージックのルーツにある音楽にグルーヴをよく使われます。
HIP HOPでもグルーヴのあるリズムを積極的に作ってループさせ、心が踊るリズムをの上で歌を表現します。
形容詞で、グルーヴィーという使い方もします。
アンサンブルのグルーヴ
グルーヴはリズムにだけ焦点(しょうてん)を当てるのではなく、冒頭で書いたようにバンドのアンサンンブルでも使われます。
「このバンドサウンドにはグルーヴがある」といった使われ方をします。
呼吸の合ったリズムが一丸となって、うねりになって生まれたサウンドにグルーヴが宿るのだと思います。
みんなで一丸となるためには「せーのっ」とか「よいしょっ」といった掛け声で息を合わせます。
まさにこの「せーのっ」とか「よいしょっ」がグルーヴです。
これがうねりを生み出します。
わかりやすくイラストで説明します。
8ビートに合わせて「せーのっ」「よいしょっ」と口に出すと、自然とグルーヴが生まれてきます。
高校生の大会などは、特に上手さよりグルーヴを優先されて審査されていました。
高校生のバンドは技術的にまだ発展途上の状態ですが、そういった頃のバンドは練習量でグルーヴが出てきます。
一人一人の技術はなくてもバンド全体でグルーヴが一致していきます。
練習し続けて呼吸が合うということです。
バンドの良さはきっちりリズムが合って演奏できるのではなく、息が合った演奏を表現できるということだと思います。
リズムのグルーヴを音で聴いて比較
ここで一般によく言われるリズムのみに焦点(しょうてん)を当てて比較してみます。
少しわかりにくいかもしれませんが、このわかりにくい体感がグルーヴといえます。
ベタ打ち込み
まずはジャストのベタで打ち込んだ、グルーヴ感のない基本の8ビートのドラムです。
少しグルーヴを加える
続いて基本の8ビートの「2拍」「4拍」を少しためて、その前後の裏拍も少しだけためて、グラデーションになるように打ち込んでうねりを作ります。
少し16の要素を加える
最後に上のグルーヴを作ったものに、16の要素を加えてこまかいリズムの中にうねりを感じるように作ります。
グルーヴ感のあるリズムの上でメッセージ性のある言葉を乗せて、かっこいい雰囲気を作るというのが主流になっています。
持って生まれたグルーヴ感
僕はいままでたくさんのドラマーとセッションしてきました。
技術的に上手い下手はありますが、そのなかでもこのグルーヴ感というのは、持っている人と持っていない人に分かれます。
初心者でもキックとスネアを叩くだけで、良いグルーヴ感を感じる人もいます。
運動神経の良い人はドラムが上手いというのは有名な話ですが、それはグルーヴ感を体に持っていて、スポーツをしてもパワーが躍動していくのだと思います。
ブラックミュージックにグルーヴ感を感じられる音楽が多いのは、その人種の人たちは生まれ持った体感があるのだと思います。
ま と め
「グルーヴとは何ですか?」という質問をたくさんされてきましたが、これだという答えはなかなか出てきません。
やはり、わかるかわからないかのうねり感がグルーヴだと思うので、みなさん「どれのことがグルーヴかわからない」という結果になるのだと思います。
「このグルーヴを感じてみて」といわれても「グルーヴとは何ですか?」につながってしまいます。
またその定義がたくさんあるところが、音楽の面白いところです。
今回は「グルーヴ」をわかりやすく簡潔(かんけつ)にまとめてみました!
最後まで読んでいただきありがとうございました!!
マサツム